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2016.12.8

POS情報

【分析事例】カテゴリーで見る、健康・美容関連市場の行方

 11月30日付 日経MJに日経POSデータを使った分析事例が掲載されましたので、転載いたします。ぜひご参照ください。
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【分析事例】カテゴリーで見る、健康・美容関連市場の行方
 流通業界のなかでも近年とりわけ好調な伸びが目立つ健康・美容関連市場。そこには売り手側と買い手側双方の意識の変化と、消費者の心理に訴える“売れる”キーワードがあった。日経POS データをカテゴリー別に分析し、消費者の動向とマーケットの行方を探る。

価値を明確に訴求し 消費者の心理に訴える

 世の健康志向や美容に対する意識の高まりと共に、盛り上がりが続く健康・美容関連マーケット。日経POSデータをもとに商品をカテゴリー別に分析すると、消費者の動向が顕著に浮き彫りになる。
 今年に入りコンスタントに数字を伸ばしているのが、ヨーグルトカテゴリーと健康茶飲料カテゴリー。グラフが示す通り、いずれの月も前年比増を記録している。どちらも定番カテゴリーでありながら、健康・美容アイテムとして改めて価値が見直されたことで市場が拡大。加えてメーカー側も商品の持つ健康・美容効果を前面に打ち出すなど、消費者の意識を捉えた販売戦略が売り上げアップに反映された。
 甘酒の伸張も目覚ましい。古くは江戸時代から広く親しまれてきた甘酒だが、2015年末頃よりテレビの情報番組等で繰り返し取り上げられたことで、健康・美容飲料としての需要が急増。冬場の飲み物というこれまでの認識から、夏バテや熱中症対策として夏場の売り上げが大幅に増え、一年を通して右肩上がりの推移を続けている。すでに認知度が高いヨーグルトや健康茶飲料といったカテゴリーと比べ、甘酒はまだまだ浸透過程の成長期。実際アイテム数や一商品あたりの売り上げも増加の傾向にあり、より一層の市場拡大が期待される。

売れ行きを左右する健康・美容キーワード

 これら人気カテゴリーの共通項をみてみると、〝免疫力アップ〞〝腸内環境の改善〞といったキーワードが挙げられる。かつて健康と美容は個別に追求されていたが、近年消費者の関心が〝身体の中から健康で美しく〞へとシフトしたことから、健康及び美容の両効果が期待される免疫力や腸内環境の改善に注目が集中。やはり免疫力をキーワードに持つ納豆や紅しょうが、乾燥にんにくのカテゴリーが軒並み前年比プラスを示していることからも、消費者の関心の高さがうかがえる。
 商品に求められるのは、確かな効果を期待させる裏付けであり要素。トクホ認定商品が根強い支持を集めているのはその好例で、拡充する健康・美容関連市場において、商品を選ぶひとつのきっかけを消費者に与えている。〝健康・美容に良さそう〞という漠然としたイメージから、商品の価値を追求する時代へ。売り手側と買い手側の意識が変わりつつある今、健康・美容マーケットの盛り上がりは今後も継続が予想される。
[11月30日付 日経MJ で掲載]

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